ドライヘッドスパ専門店「癒し〜ぷ」創業者。看護師国家資格を取得後、総合病院・老人ホーム・保健所で経験を積む。「疲れをため込みがちな現代人が、ほっと息抜きできる癒しの場所をつくりたい」という想いから、一席のみの完全個室サロンとして癒し〜ぷを新宿で開業し、開業3ヶ月で黒字化。解剖生理学に基づいた知識・技術に定評があり、セラピストの技術・接客教育やメンタルフォローまで幅広く活動している。
「朝、目が覚めた瞬間から肩がずっしり重い」「しっかり寝たはずなのに、首や肩がこって疲れが抜けない」——そんなお悩みはありませんか。
いろいろな枕を試しても、なかなかしっくりくるものに出会えない。いわゆる“枕難民”になってしまう方はとても多いものです。実は、その肩こりの原因は「毎晩使っている枕」にあるのかもしれません。
整形外科でおこなわれたある研究では、肩こり・首こりを訴えていた方の約7割が、適切な枕に変えることで症状が改善したという結果も報告されています。つまり枕は、肩こりケアにおいて意外なほど大きな役割を持っているのです。
この記事では、看護師考案の技術で全国36店舗を展開するドライヘッドスパ専門店「癒し〜ぷ」の創業者で看護師のはるさん監修のもと、“こらない枕”を選ぶための6つの条件、素材別の特徴、そして枕を買い替える前に今日からできるセルフケアまで、まるごと解説していきます。読み終えるころには、「自分に合う枕」の輪郭がきっと見えているはずです。
なぜ寝ている間に肩こり・首こりが起きるのか
日中の姿勢が原因と思われがちな肩こりですが、実は「寝ている間」に悪化しているケースも少なくありません。まずは、そのしくみから見ていきましょう。
そもそも肩こりとは?日本人にとても多い悩み
肩こりとは、首の後ろから肩、肩甲骨まわりにかけての筋肉がこわばり、重だるさや違和感、鈍い痛みを感じる状態のことです。
厚生労働省の国民生活基礎調査では、肩こりは女性が訴える自覚症状の第1位、男性でも腰痛に次ぐ第2位という、非常にありふれた不調です。日常的に多くの方が悩んでいるからこそ、「毎日のこと」として上手につき合っていく工夫が大切になります。
合わない枕が首・肩に負担をかけるしくみ
人の首の骨(頸椎)は、まっすぐではなく、ゆるやかに前方へカーブしています。仰向けで寝たときは、このカーブを自然に保てる高さの枕が理想です。ところが、枕が体に合っていないと次のようなことが起こります。
- 枕が高すぎると、あごが引けて首の後ろが縮こまり、パソコンをのぞき込むような前かがみ姿勢のまま一晩を過ごすことになります
- 枕が低すぎる・柔らかすぎると、頭が沈み込んで首が安定せず、支えようとして筋肉が緊張し続けます
私たちは人生のおよそ3分の1を睡眠に費やしています。仕事で長時間パソコンに向かう時間と同じか、それ以上の時間を「寝ている姿勢」で過ごしているわけです。もしその姿勢が体に負担のかかるものだったら——朝から首や肩がこってしまうのも無理はありません。日中の不良姿勢と同じことを、無意識のうちに睡眠中にも繰り返している。これが「朝から肩がこる」大きな要因のひとつです。
「肩こりの約7割が枕で改善」という研究データ
枕と肩こりの関係は、医療の現場でも注目されています。整形外科医の山田朱織医師(山田朱織枕研究所)の報告によると、首の精密検査(MRI)を受けた方のうち、特に肩こり・首こりを訴えていた110名に適切な枕を使ってもらったところ、約71%(78名)で症状の改善がみられたとされています。これは温熱療法や投薬などと比べても高い割合だといいます。
毎日必ず使う枕を見直すことは、それだけで立派な“肩こりケア”の第一歩になり得るということですね。
サロンにも「マッサージを受けた直後はラクなのに、朝起きるとまたこっている」という方がよくいらっしゃいます。日中どんなにケアをしても、夜の6〜8時間、合わない枕で首に負担をかけ続けていては、こりが振り出しに戻ってしまうことも。枕は“毎晩使うセルフケアの道具”だと考えてみてくださいね。
肩こりの原因は「枕」だけではない
枕はとても大切ですが、肩こりの原因は枕だけではありません。枕を見直すのと同時に、次のような生活習慣もあわせてチェックしてみましょう。
- スマホ・パソコンの長時間使用:うつむき姿勢が続くと、首・肩の筋肉に負担がかかります
- 運動不足・血行不良:筋肉が動かないと血流が滞り、こりや冷えにつながります
- 冷え・エアコン:肩まわりが冷えると筋肉がこわばりやすくなります
- ストレス・眼精疲労:緊張状態が続くと、無意識に肩に力が入ります
- マットレス・敷き布団:合わない寝具は寝姿勢を崩し、枕の効果も半減させます
つまり、肩こりケアは「睡眠環境(枕・寝具)を整えること」と「日中の姿勢・血行をケアすること」の両輪で考えるのが近道です。この記事では、まず土台となる枕選びを丁寧に解説し、後半で日中も含めたセルフケアをご紹介します。
肩こりがラクになる枕選び 6つの条件
では、具体的にどんな枕を選べばよいのでしょうか。睡眠や体の専門家の解説に共通する「肩こりがラクになる枕」のポイントを、6つの条件にまとめました。買い替えや見直しの際のチェックリストとして使ってみてください。
1寝返りが打ちやすいこと(最重要)
意外に思われるかもしれませんが、枕選びでもっとも大切なのが「寝返りの打ちやすさ」です。私たちは一晩に平均20回ほど寝返りを打つといわれています。寝返りには、
- 血流をうながし、筋肉が固まるのを防ぐ
- 体温を調整して、深い眠りを保つ
- 一か所に集中する体の負担を分散する
といった大切な役割があります。柔らかすぎて頭が沈み込む枕は、寝返りのたびに「よいしょ」と余分な力が必要になり、回数が減ってしまいます。すると血行が滞り、朝には筋肉がこわばった状態に。スムーズに寝返りが打てる枕こそが、肩こりを防ぐ枕なのです。
2呼吸が深くなる高さであること
これは見落とされがちですが、とても大切なポイントです。枕が高すぎても低すぎても、気道が圧迫されて呼吸が浅くなってしまいます。寝ている間に何千回と繰り返す呼吸が浅いままでは、朝スッキリ起きられず、だるさも残りがちです。
目安になるのが、横向きに寝たときに「鼻・口・あご・胸」が一直線になる高さ。この位置に整うと、無意識レベルの呼吸が自然と深くなります。ご自宅で枕の高さを見直すときは、一度この「一直線」を意識してみてください。
3体格に合った高さであること
適切な枕の高さは、体格によって変わります。ひとつの目安として、
- 女性:約5cm
- 男性:約6cm
- 体格のよい方:約7cm
程度が基準といわれます。また、仰向けは低め・横向きは高めが合いやすく、横向きでは肩幅のぶんだけ高さが必要です。さらに60歳を過ぎると、猫背傾向などから枕が高めのほうが合いやすくなることも。「自分は今、どのくらいの高さが合うのか」を知ることが、失敗しない枕選びの出発点です(測り方は後述します)。
4表面が平らで、適度な硬さがあること
枕の表面は、平らで適度な硬さがあるものがおすすめです。柔らかすぎたり、中央が大きくくぼんだ形状だと、寝返りを打とうとしたときに頭がくぼみにはまり込み、スムーズに動けません。「沈み込むけれど、しっかり反発して支えてくれる」高反発寄りの硬さを選ぶと、寝返りがラクになります。
5首・肩までしっかり支える形状であること
枕は「頭をのせる道具」と思われがちですが、正しくは「首を支える道具」です。頭だけを枕にのせると、首の後ろにできる隙間が埋まらず、カーブが崩れてこりの原因に。首から肩口までがしっかり枕に当たるように使うのがポイントです。首の隙間を無理なく埋め、肩まで支えてくれる形状の枕を選びましょう。
6高さを調整・メンテナンスできること
最後の条件は「調整できること」です。同じ枕でも、敷き布団やマットレスの硬さによって高さの感じ方は変わります。お店で「ちょうどいい」と思っても、自宅で寝ると違って感じるのはこのためです。また、体型の変化や加齢、枕自体のへたりによって、合う高さは少しずつ変わっていきます。
だからこそ、中材の出し入れなどで高さを微調整でき、清潔に保てる(洗える)枕が理想的。長く快適に使い続けられます。
「高い枕=しっかり支えてくれて良い枕」と思われがちですが、逆のことも多いんです。高すぎる枕は、あごを引いた“スマホ首”のような姿勢を一晩中つくってしまいます。迷ったら、まずは少し低めから。次章のタオルを使う方法で微調整するのがおすすめです。
枕の素材別の特徴と選び方【比較表つき】
枕選びでは「高さ・形」と並んで「素材(中材)」も大切です。素材によって硬さ・通気性・お手入れのしやすさが大きく変わります。代表的な素材を比較表にまとめました。
| 素材 | 硬さ | 通気性 | 高さ調整 | 洗濯 | 肩こりの方へ |
|---|---|---|---|---|---|
| パイプ | ほどよい硬さ | ◎ とても良い | ◎ 出し入れ可 | ◎ 丸洗い可が多い | ◎ おすすめ |
| 高反発ウレタン | しっかり反発 | ○ | △ 製品による | △ 洗えないものも | ◎ おすすめ |
| そば殻 | 硬め | ◎ | ○ | × 洗えない | ○ 好みが分かれる |
| 低反発ウレタン | 柔らかい | △ 蒸れやすい | × ほぼ不可 | × 洗えない | △ 注意が必要 |
| 羽毛・フェザー | 柔らかい | ○ | × | △ | △ 沈みやすい |
| ポリエステルわた | 柔らかい | ○ | △ | ◎ | △ へたりやすい |
肩こりが気になる方には、寝返りが打ちやすく高さ調整もしやすい「パイプ」や「高反発ウレタン」が向いています。
「低反発は肩こりに良い」とは限らない理由
CMなどで人気の低反発ウレタンですが、肩こり対策の観点では注意も必要です。
- 頭が深く沈み込むため、寝返りが打ちにくくなりがち
- 気温で硬さが変わる(冬は硬く、夏は柔らかく)ため、季節で高さの感じ方が変わる
- 通気性が低く蒸れやすい傾向がある
「今すでに低反発を使っていて、首や肩に不調がない」という方は、無理に変える必要はありません。ただしこれから選ぶなら、寝返りのしやすさを重視して、高反発寄り・パイプなど調整しやすい素材も候補に入れてみてください。
自分に合う枕の高さの測り方・合わせ方
「結局、自分に合う高さがわからない」という声はとても多いもの。ご自宅でできる、簡単な合わせ方をご紹介します。
① 壁を使った「高さの目安チェック」
- かかと・お尻・背中・後頭部を壁につけて、リラックスして立ちます
- このときの「後頭部と壁の距離」が、仰向けで寝るときに必要な枕の高さの目安になります
- 横向き用は、肩幅のぶん少し高め(耳から肩までの長さが目安)に
立ったときの自然な姿勢を、そのまま横にした状態が理想の寝姿勢です。
② 仰向けで「呼吸が深くなる高さ」を探す
一度、枕なしで仰向けに寝て、鼻から吸って口から吐く呼吸の深さを覚えます。次に、あえて高すぎる状態にして呼吸してみると、胸のあたりで息が止まって浅くなるのがわかります。そこから少しずつ高さを下げ、いちばん深く息が吸える高さを見つけましょう。
③ 横向きで「鼻・あご・胸が一直線」を確認
そのまま横向きになり、鼻・あご・胸の中心が一直線になっているかを確認します。首が下がったり、逆に持ち上がったりせず、背骨がまっすぐになる高さが理想です。
④ タオルで微調整する
高さが足りないときは、たたんだタオルを枕の下(または枕の一部)に入れて微調整します。体調や季節で「合う高さ」は少し変わるので、タオル1〜2枚分の微調整で、こまめにアップデートしていくのがおすすめです。
枕を買い替える前にできる肩こりセルフケア
「新しい枕を選ぶ前に、まず今の環境で試せることを知りたい」という方へ。手軽なセルフケアをご紹介します。
肩こり対策に|バスタオル枕(タオル枕)の作り方と注意点
いきなり高い枕を買う前に、バスタオルを使って自分に合う高さを探る方法がおすすめです。
- バスタオル(またはタオルケット)を用意します
- 縦長に折り、くるくると巻く・重ねるなどして高さをつくります
- 首の隙間を埋めるように、首〜肩口に当てて寝てみます
高さが足りなければタオルを足し、高すぎれば減らして微調整します。数百円もかからず、今夜から試せるのが魅力です。まずは3日ほど続けて、体に合うかどうかを確かめてみてください。「これくらいの高さが合う」という感覚がつかめると、枕選びの失敗もぐっと減ります。
ただし、「タオル枕はダメ」と言われることもあります。理由は、形が崩れて高さが安定しにくい・ロール状に巻くと高くなりすぎるから。あくまで「自分に合う高さを見つけるためのお試し」と考え、ちょうどいい高さがわかったら、その高さをキープできる枕に切り替えると失敗しません。
寝る前1分の肩甲骨ストレッチ
血行をうながすために、寝る前の簡単なストレッチも取り入れましょう。
- 肩回し:両手を肩に添え、ひじで大きな円を描くように前後に10回ずつ回す
- 肩甲骨寄せ:胸を開き、左右の肩甲骨をぐっと中央に寄せて5秒キープ×5回
- 首のばし:頭を横にゆっくり倒し、首すじを心地よく伸ばして左右10秒ずつ
痛みを感じない範囲で、気持ちいいと感じる強さで行うのがコツです。
蒸しタオル・入浴で温める
肩や首を温めると血行がよくなり、こりがやわらぎます。濡らして絞ったタオルを電子レンジで温めた「蒸しタオル」を首の後ろに当てたり、湯船にゆっくりつかったりする習慣もおすすめです。
“寝ながらほぐす”という新しいセルフケア
枕の高さを整え、日中のケアを続けても、たまった肩や背中のこりは、なかなかすっきり取れないこともあります。そんなときに取り入れたいのが、「寝ながらほぐす」セルフケアという発想です。サロンでのドライヘッドスパのように、休んでいる時間そのものを“ほぐしのケアタイム”に変えられたら理想的ですよね。次の章では、そんな発想から生まれた癒し〜ぷ発のアイテムをご紹介します。
ドライヘッドスパ発想の“寝ながらほぐす”セルフケア枕「ほぐし〜ぷピロー」

「サロンの癒しを、ご自宅でも」——そんな想いから、ドライヘッドスパ専門店の癒し〜ぷが寝具メーカーと共同開発したのが、指圧発想のセルフケアまくら「ほぐし〜ぷピロー」です。就寝用の枕選びの基本(前述の6条件)を土台にしたうえで、“ほぐし”というもうひとつの心地よさをプラスしたい方に向けたアイテムです。寝る前のリラックスタイムや、体を休めながらのセルフケアの時間に取り入れてみてください。
28本のフィンガーピンで、肩〜背中をじわ〜っと

いちばんの特徴は、28本の突起(フィンガーピン)。もみほぐす際にいちばん気持ちいい「親指の腹」の感覚を再現し、肩から背中の筋肉をやさしく押し上げます。まるで、寝ながらセルフスパを受けているような心地よさです。
眠りを妨げない「微圧構造」の2層式

「突起があると眠れないのでは?」と思われるかもしれません。ほぐし〜ぷピローは、沈み込む上層と、押し上げる下層の2層式「微圧構造」を採用。気持ちいいけれど痛すぎない、“やわかた”のウレタン突起で、心地よさにこだわっています。

毎日使えるうれしい実用性
- へたりにくい:10年間の寝返りを想定した連続8万回の圧縮テストでも、高い耐久性を実証
- お手入れ簡単:カバーは洗濯機で洗えるので、いつも清潔に保てます
日々の疲れを、少しでも軽く。「気持ちよさ」で癒しの時間を選びたい方にぴったりのセルフケアまくらです。
就寝時にメインで使う枕は、まず前章の「6つの条件」に合った高さ・硬さのものを選ぶのが基本です。そのうえで、ほぐし〜ぷピローは“ほぐし”や“リラックス”のためのセルフケアアイテムとして。私たちがサロンで大切にしている「心地よさ」を、おうち時間にも取り入れていただけたらうれしいです。
枕の寿命・お手入れ・買い替えのサイン
どんなに良い枕でも、へたってしまっては効果が半減します。長く快適に使うためのポイントも押さえておきましょう。
買い替えのサインをチェック
次のような状態は、枕が寿命を迎えているサインかもしれません。
- 朝起きると、以前より首や肩が痛い・こるようになった
- 枕の中央がへこんで元に戻らない
- 手で押したときの反発力が明らかに落ちた
- 黄ばみやニオイが気になる
素材にもよりますが、枕の寿命はおおむね1〜3年程度が目安といわれます。「なんだか最近合わないな」と感じたら、買い替えや高さの調整を検討してみてください。
清潔に保つお手入れのコツ
- 週に数回は風通しの良い場所で陰干しし、湿気を逃がす
- カバーはこまめに洗濯する
- 丸洗いできる素材(パイプなど)は、定期的に洗ってしっかり乾かす
清潔で弾力のある状態を保つことも、こりをためない睡眠環境づくりの一部です。
肩こりと枕についてよくある質問
まとめ|“こらない枕”で、朝の目覚めを軽やかに
肩こりと枕の関係、そして“こらない枕”選びの6つの条件をお伝えしました。
- 寝返りが打ちやすい
- 呼吸が深くなる高さ
- 体格に合った高さ
- 表面が平らで適度な硬さ
- 首・肩まで支える形状
- 高さを調整・メンテナンスできる
素材で迷ったら、寝返りが打ちやすく調整もしやすい「パイプ」や「高反発ウレタン」が候補になります。まずはバスタオルや壁立ちチェックで、ご自身に合う高さを知ることから始めてみてください。
そして、休む時間そのものを“ほぐしのケアタイム”にしたい方は、ぜひ「寝ながらほぐす」セルフケアも取り入れてみましょう。毎日の睡眠が変われば、朝の目覚めも、日中の体の軽さも、きっと少しずつ変わっていきます。あなたの肩こりが、少しでもラクになりますように。
| 店舗名 | 肩こりと枕の関係とは?看護師監修|“こらない枕”の選び方6条件 |
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