横向き寝は多くの人にとって快適な睡眠姿勢ですが、肩の痛みを感じることがある方も少なくありません。朝起きたときに肩が痛いと、日中の活動にも影響が出てしまいます。
本記事では、横向き寝をすると方が痛む原因やその対策について詳しく解説します。
快適な睡眠を取り戻し、肩の痛みから解放されるためのヒントを見つけましょう!
整形外科
古屋 智之先生
1983年 東京都生まれ
2008年 聖マリアンナ医科大学医学部医学科 卒業
2010年 聖マリアンナ医科大学整形外科 入局
保有資格:日本整形外科学会専門医,整形外科スポーツ医,医学博士
所属学会:日本整形外科学会
運営店舗:女性専用24時間ジム アマゾネス,癒し~ぷ用賀店
横向き寝で肩が痛くなる原因とは
横向き寝で肩が痛くなる原因は主に2つあります。
ここからは、横向き寝で肩が痛くなる原因についてそれぞれ詳しく解説していきます。
①巻き肩である
横向き寝が長時間続くと、肩甲骨が前に出て肩が内側に巻き込まれる状態(巻き肩)になります。
これにより筋肉や関節のバランスが崩れ、肩だけでなく首や頭にも痛みが生じることがあります。
また、デスクワークやスマートフォンの使用も巻き肩を引き起こす要因です。
②寝る姿勢が悪い
寝る姿勢が悪いと体の重みが不均等に分散されるため、肩が痛くなります。
特に横向き寝の場合、肩や腰などの出っ張った部分に負担が集中することで、血流が悪化し筋肉が硬くなることで痛みを引き起こすことがあります。
正しい寝姿勢を保つことで、肩への負担軽減に繋がります。
体の姿勢のバランスが悪いと肩を痛めるんだね…
横向き寝で肩が痛い時の対処法5選
ここからは、横向き寝で肩が痛む場合に効果的な5つの対処法をご紹介します。
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
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①抱き枕で圧力を分散する
抱き枕を抱いて寝ることで、体圧が均等に分散され、肩や腰にかかる負担を軽減できます。
さらに抱き枕だけでなく、パートナーやペットに抱きつくことで、心理的なリラックス効果も得られます。リラックスした状態で眠りにつくことでストレスが軽減され、睡眠の質が向上するでしょう。
もし横向き寝で体の圧力が集中していると感じるなら、抱き枕を取り入れて快適な睡眠環境を整えてみてください。
②ストレッチや筋トレを行う
横向き寝で肩に痛みを感じる原因の一つが「巻き肩」と呼ばれる筋肉の硬直です。このような痛みを和らげるためには、ストレッチやマッサージが効果的です。
ここでは、簡単にできるストレッチ方法を2つ紹介します。
- タオルを使ったストレッチ
仰向けに寝た時に首の下に隙間ができる場合、このストレッチが役立ちます。
タオルを縦に丸めて首の下に置き、ゆっくりと左右を見て首を動かします。
これにより、首の筋肉が心地よくストレッチされ、リラックス効果が得られます。
- 椅子に座ったまま行えるストレッチ
椅子に座り、後頭部に手を当てて両手を組みます。
そのまま腕を前後に動かして20回を目安に行います。
このストレッチは、場所を選ばずにできるため、仕事の合間や自宅で気軽に取り入れられます。
これらのストレッチは、巻き肩による肩の痛みを軽減するのに効果的です。しかし、筋肉が引っ張られることで痛みが生じている場合もあります。
自分で痛みの原因を判断するのは難しいことが多いので、痛みがひどいと感じたら無理をせず、医療機関を受診して適切な指導を受けることをおすすめします。
③横向き寝に適した枕を使用する
横向き寝で肩が痛むと感じる方は、枕の見直しが効果的です。枕が高すぎたり低すぎたりすると、寝姿勢が崩れて痛みを引き起こす原因となります。
特におすすめなのが、波型形状の枕です。この形状は、横向き寝の際に首とマットレスの隙間をしっかり埋めてくれるため、首や肩の負担を軽減します。
快適な睡眠環境を整えるために自分に合った枕を選び、肩の痛みを和らげましょう。質の高い睡眠を手に入れる第一歩です。
④敷パッドやマットレストッパーを使用する
厚めの敷パッドやマットレストッパーを使用することで、理想的な寝姿勢である「頭から背骨にかけて真っすぐな状態」を保つことができ、肩への負担を軽減できます。
敷パッドには、ひんやりと感じる素材や温かみのある生地があり、寝心地を向上させる効果も期待できます。もし敷パッドの厚さが物足りない場合は、やや分厚いベッドパッドを選ぶのも良いでしょう。
また、マットレストッパーは体圧分散性を改善し、肩にかかる圧力を和らげるため、痛みの軽減に繋がります。
⑤横向き寝に優れたマットレスを使う
横向き寝は多くの人にとって快適な睡眠姿勢ですが、マットレスが自分の体に合わないと、肩や腰のこり、痛みなどの体調不良を引き起こすことがあります。特に横向き寝をする方は、自分に適したマットレス選びが重要です。
ここでは、横向き寝に向いているマットレスを選ぶ際のポイント4つを詳しく解説します。
- 硬さ
横向き寝の方には、硬すぎず柔らかすぎないマットレスが理想です。
柔らかすぎるマットレスは体が沈み込みやすく、寝返りが打ちにくくなります。寝返りは、就寝中の筋肉をリラックスさせるために重要な生理現象です。
適度な反発力があるマットレスを選ぶことで、体の一部に負担がかかりにくくなり、血行不良を防ぐことができます。
- 体圧分散性
次に注目すべきは「体圧分散性」です。体圧分散とは、寝ている時に体にかかる圧力を均等に分散させることを指します。
横向き寝の場合、仰向け寝よりも少ない面積で体を支えるため、体圧分散性が特に重要です。
マットレスが体重をしっかりと分散させることで、特定の部位に負担が集中するのを防ぎ、快適な睡眠をサポートします。
- 支え方
体を「点」で支える構造のマットレスであれば、体の曲線に沿って細かく支えることができて体圧分散性にも優れています。
これに対して、体を「面」で支える構造のマットレスは、沈み込みを防ぐことができますが、体圧が分散されにくく、横向き寝には不向きです。
自分の体型や寝姿勢に合った支え方を選ぶことが大切です。
- 厚さ
マットレスの厚さにも注意が必要です。
反発力や体圧分散性が優れていても、マットレスが薄いと床の硬さが体に伝わり、「底付き感」を感じることがあります。一般的には、厚さ10cm以上のマットレスを選ぶことをおすすめします。
一定の厚さがあれば、睡眠時の姿勢を保ちやすく、快適な睡眠環境を整えることができます。
横向き寝で肩が痛む方は、マットレス選びにこだわることで快適な睡眠を実現できます。
硬さ、体圧分散性、支え方、厚さの4つのポイントを考慮し、自分に合ったマットレスを見つけることで、肩の痛みを軽減し、質の高い睡眠を手に入れましょう。
肩の痛みが治らない時はどうすれば良いのか
肩の痛みは、日常生活に大きな影響を与える厄介な問題です。ストレッチや新しい枕を試しても改善しない場合は、自分だけで解決しようとせずに専門家の助けを借りることが重要です。
ここからは、肩の痛みが治らない時に考慮すべきことを詳しく解説します。
①医師に相談する
肩の痛みが長引く場合、まずは専門的な知識を持った医師に相談することをおすすめします。
特に、寝姿勢が原因で痛みが出ていると思われる場合、整形外科での診察が有効です。整形外科では、保険適用で体の不調を改善するための適切な治療を受けることができます。
肩の痛みの原因が寝姿勢にあると思っていても、実際には他の要因が関与している可能性もあります。放置しておくと深刻な病気に発展することもあるため、自分の対策で改善できない場合は早めに医療機関を受診することが大切です。
②ねむりの相談所を利用する
もし肩の痛みが睡眠に関連している場合、ねむりの相談所の利用も検討してみましょう。
ここには、寝具や睡眠に関する豊富な知識を持つスリープアドバイザーが在籍しており、睡眠環境全般に関するアドバイスを受けることができます。 自分では気づかなかった生活習慣や睡眠環境の改善点を知ることで、睡眠の質や他の不調も改善できる可能性があります。
また、自分に合った寝具がわからない場合も、アドバイスを受けることで適切な枕やマットレスを見つけやすくなります。
③日常生活を見直す
肩の痛みを軽減するためには、日常生活の見直しも重要です。
例えば、長時間同じ姿勢でいることを避け、定期的にストレッチを行うことが効果的です。
また、デスクワークをしている方は作業環境を整えることも大切です。椅子や机の高さを調整して姿勢を正すことで、肩への負担を軽減できます。
④リラクゼーション法を取り入れる
ストレスや緊張も肩の痛みを悪化させる要因です。リラクゼーション法を取り入れることで、心身の緊張を和らげることができます。
深呼吸やヨガ、マッサージなど、自分に合った方法を見つけて実践してみましょう。
肩の痛みが治らない時は、専門家の助けを借りることが重要です。医師に相談したり、ねむりの相談所を利用したりすることで、適切なアドバイスや治療を受けることができます。
また、日常生活の見直しやリラクゼーション法を取り入れることで、痛みの軽減につながるでしょう。
快適な生活を取り戻すために、ぜひ参考にしてみてください。
肩の痛みを軽視せずに専門家に相談しに行こう!
横向き寝でよくある質問
ここからは、横向き寝でよくある質問を詳しく解説します。
①横向き寝はなぜ肩が凝るのか?
横向き寝は快適ですが、肩が凝る原因にもなります。それは、体が布団に接する面積が小さく、肩や腰に長時間負担がかかることで血流が悪化しやすいためです。
また、「ひとり腕枕」の姿勢で寝ると、腕と肩に過度な負荷がかかり、さらに血流を妨げることになります。
首や肩を圧迫する寝方は肩こりを引き起こすため、寝姿勢や寝具の見直しが大切です。
肩まわりに負荷がかかりすぎることが原因なんだね
②肩が痛くならない寝方はあるの?
肩が痛くならない寝方として仰向けで寝ることがおすすめです。
仰向けで寝ると、背骨がまっすぐになり体にかかる圧力が均等に分散されるため、負担が少なくなります。また、仰向けの姿勢は寝返りを打ちやすく右にも左にもスムーズに動けるため、肩や首への負担を軽減します。
快適な睡眠を得るために、ぜひ仰向け寝を試してみてください。
仰向けの姿勢になることを意識してみよう!
横向き寝で肩が痛くなるのを回避しよう
この記事では、横向き寝をすると方が痛む原因やその対策について解説しました。
横向き寝による肩の痛みは、寝姿勢やマットレス、枕の選び方に大きく影響されます。適切な硬さや体圧分散性を持つマットレス、そして自分に合った枕を選ぶことで、痛みを軽減することが可能です。
また、ストレッチやリラクゼーション法を取り入れることで、肩の負担を和らげることも重要です。
快適な睡眠環境を整え、肩の痛みを防ぎながら質の高い睡眠を手に入れましょう。あなたの健康的な生活をサポートするために、ぜひ実践してみてください!
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