「真夏のピークは過ぎたけれど暑くてなかなか眠れない」「ほてりのせいで眠いのに寝られない」
上記のようなお悩みを抱える方がいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、体が熱くて寝られない時の対処法を解説します。
また体が熱くなる原因についても詳しく解説しますので、熱さでうまく眠れていない方はぜひ参考にしてください。
整形外科
古屋 智之先生
1983年 東京都生まれ
2008年 聖マリアンナ医科大学医学部医学科 卒業
2010年 聖マリアンナ医科大学整形外科 入局
保有資格:日本整形外科学会専門医,整形外科スポーツ医,医学博士
所属学会:日本整形外科学会
運営店舗:女性専用24時間ジム アマゾネス,癒し~ぷ用賀店
暑いとなぜ眠れなくなるのか
暑い夜に眠れなくなる理由は、入眠時に私たちの体が行う体温低下が妨げられるためです。
スタンフォード大学で睡眠研究を行っている西野精治氏は 「体温は、日中の活動時には高く、夜間になると低下する。この体温の低下がないと、寝ようと思っても眠ることが出来ない」と説明されています。
皆さんはベッドに入った時、体がぽかぽかと暖かくなっていくことを感じたことはありませんか?
これは私たちの体が、体内の熱を皮膚を通して外に放出し、体の中心の温度(深部体温)を下げようとしているためです。
例えば、気温が涼しくなってくると眠りやすいと感じる方は多いと思います。それは眠ろうとする際に体が出す熱と、室内の涼しい空気が混ざり丁度いい温度になり、居心地よく入眠ができるためです。
しかし、暑い夜の日や部屋に熱がこもっている場合、体温を外に逃がす熱放散がうまくいかずスムーズに入眠できないことが増えてしまいます。
暑い日はどうして眠れないんだろう?
暑くて寝れない時の対処法5選
暑くて寝れない時の対処法は、以下の通りです。
ここからは、暑くて寝れない時の対処法をそれぞれ詳しく解説します。
暑くて寝れない時の対処法を教えるよ!
①睡眠前に水を飲む
人間の体は、眠っている間に汗をかくことで体内から熱を放出し、深部体温を下げています。
この体の仕組みが良質な眠りを促していますが、体内の水分が不足すると発汗による体温調節がうまく機能せず、睡眠の質が低下してしまいます。
そこで、睡眠前にコップ1杯の水を飲むようにしましょう。
②氷枕で頭を冷やす
暑さで体温が下がらずなかなか寝付けない時は、氷枕などで後頭部を冷やしてみましょう。深部体温が下がりやすくなり、スムーズに眠れるようになります。
頭の他に、血流が多い部分(首のつけ根・脇の下・股関節等)を冷やすのも効果があります。
ただし、頭は冷やしても手足を冷やすことは避けるようにしましょう。手足が冷えると、体が体温を放熱しにくくなってしまいます。
③入眠前のルーティンを決定する
入眠前のルーティンを作ることで、眠るまでの時間を短縮することができます。
例えば、ベッドに入る前に音楽を聴く・読書をする・ストレッチをする・アロマやお香を焚くなど、毎日同じ行動をしてみましょう。そうすることにより、「メラトニン」という睡眠誘発ホルモンの分泌が促され、スムーズに眠れるようになります。
ルーティンは体をリラックスさせることができればどんなことでも大丈夫です。自分に合った方法を見つけて実践してみましょう。
④夏用の寝具を試してみる
寝具に熱がこもっている・湿気を多く含んでいると、なかなか眠ることができません。
その場合は、すのこベッドや夏用シーツなど夏用の寝具を使用することで眠りやすくなります。
- すのこベッド:通気性が確保され、熱や湿気を自然に逃がしてくれます
- 夏用シーツ:吸湿性・放湿性・放熱性の高い、ガーゼ素材やリネン素材などがおすすめです
⑤寝る前にスマホやPCを使用しない
スマートフォンやパソコンなどから発せられるブルーライト(青い波長の光)は、脳を覚醒させてしまいます。
特にスマートフォンの使用は光源を至近距離で直接見つめる状態が続くため、入眠の大きな妨げになります。
睡眠1時間~30分前にはスマートフォンやパソコンの使用を避けるようにしましょう。
自分に合った方法を試してみてね!
不眠症になりやすい人の特徴について
不眠症とは、体が疲れているのに寝付きが悪い・夜中に何回も目が覚めてしまうなどの症状が続き、日中に倦怠感がある・注意力散漫になる・頭痛が起こるなどの体調不良が起こることをいいます。
ここからは、そんな不眠症になりやすい人の特徴を解説します。
- 不眠症になりやすい人の特徴
- 不眠症は女性の方がなりやすい
不眠症になりやすい人の特徴
眠れないという症状に悩まされる人の数は増えています。その中でも、下記のような性格や環境下にある人は、不眠症になりやすいと言われています。
性格的特徴 | 環境的特徴 |
・真面目で神経質 ・不安になりやすい ・責任感が強い ・完璧主義 | ・日常的に緊張やストレス状態が続く ・家族内にも睡眠障害が見られる ・睡眠を妨げる要因や環境(騒音など)が身近にある |
不眠症は女性の方がなりやすい
男性に比べて、女性の方が2倍も不眠症になりやすいと言われています。
不眠症の主な原因の多くは自律神経の乱れにあります。
女性は、女性特有の生理現象(生理や妊娠など)や閉経による更年期障害などによってホルモンバランスが乱れやすく、それに伴い自律神経が乱れる可能性が男性に比べて高くなるため、不眠症になりやすい傾向があります。
男性と女性とでは体のメカニズムが違うもんね…
体が熱くて眠れない時によくある質問
- 睡眠時に体が熱くなるのはなぜ?
- 冬でも暑くて眠れないのはなぜ?
- 体が火照って眠れないのは病気なの?
体が熱くて眠れない時によくある質問を詳しく解説します。
①睡眠時に体が熱くなるのはなぜ?
私たちの体は睡眠を開始すると、体の深部体温を下げる仕組みが働きます。
体内を巡った血液が手足の末梢の毛細血管に流れ込み、皮膚を通じて体内の熱を放出するため、体が熱くなります。
②冬でも暑くて眠れないのはなぜ?
冬でも暑くて眠れない原因は主に3つあります。
まず、「自律神経の乱れ」です。自律神経やホルモンバランスの乱れが、ストレスや不安が交感神経を活性化させるため、体が熱くなることがあります。
次に、睡眠中に血糖値の急激な低下が起こる「夜間低血糖」です。血糖値の急降下が自律神経を興奮状態にさせ、体が熱を帯びるようになります。
最後に、「寝具の通気性の悪さ」です。寝具の通気性が悪いと熱や湿気がこもるため、快適な睡眠環境が損なわれていくのです。
これらの問題を改善するためには、生活習慣の見直しや寝具の選定が重要です。
③体が火照って眠れないのは病気なの?
「体が熱い・火照る」症状は、熱はないのに体だけが熱い・寝起きに体が熱く感じる・体内に熱がこもるなどの状態を指します。
体が熱い・火照る症状で疑われる病気は、「不眠症」「真性多血症」「高血圧症」「甲状腺機能亢進症」「更年期障害」「自律神経失調症」などが考えられます。主な受診科目は、内科、循環器内科、内分泌内科、血液内科、婦人科、心療内科、精神科です。
体が熱い・火照るメカニズムや火照りやすい人の特徴・症状により考えられる病気も、年齢や持病歴などによって様々です。
症状が重い・症状が続く場合には、早めに病院を受診いただくことを推奨します。
不安な時は近くの医療機関に診てもらうようにしよう!
体が熱くて眠れない時の対処法を覚えよう
この記事では、体が熱くて眠れない時の対処法を解説しました。
私たちは睡眠時の体温の低下がないと寝ようと思っても眠ることができません。
体温を外に逃がす対策の中で、自分に合った方法で快適な睡眠に繋げましょう。
体の熱さが続く場合は、何らかの病気の疑いもあります。
症状が改善しない方はお早めに病院を受診ください。
店舗名 | 体が熱くて眠れない時の対処法5選!体が熱くなる原因も解説 |
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